2014/10/21

外部参照・ブロックのインプレイス編集[refedit]

みなさんAutocadでブロックという機能は使われていますでしょうか。
同じ部品を複数配置する場合は、ブロックを使えば修正が楽ですよね。

しかしブロックを編集するのが苦手な人が私の廻りには多いです。
見ているとブロックエディタを使っているのですが、インプレイスブロック編集の存在を知らないようでした。

ブロック編集はダイナミックブロック作成の際には必須ですが、ブロック内の情報しか見えなくなるので、周辺の状況がわからなくなります。
そんな場合はインプレイス参照編集が便利です。

簡単にいえば、ブロック内オブジェクト以外をすべて暗転状態にして、モデル空間上で
ブロック内オブジェクトを編集する機能です。
(外部参照も、参照先から編集することができますが今回は省きます。)


コマンドは [ refedit ]

ブロックを選択後、refeditと入力→Enterで編集に入れます。

リボン使用であれば、リボンの中に。
ツールバー使用なら、インプレイス参照編集のツールバーがポップアップします。


インプレイス参照編集のツールバーには4つのボタンがあり

・変更を保存:編集したブロック・参照を保存する

・変更を破棄:文字通り、編集をキャンセルしモデル空間へ戻ります。

・作業セットに追加:ブロック・外部参照外のオブジェクトを取り込むことができます。
             取り込まれたオブジェクトはすべてのブロック・参照に反映されます。

・作業セットから除去:ブロック・外部参照からオブジェクトを除外します。
              除外されたオブジェクトは通常のオブジェクトとなります。



実際やってみると非常に便利で手放せなくなる機能だとおもいます。




ではさらに使い勝手を向上させるために、ダブルクリックアクションを置き換えてみましょう。

デフォルトでは、ブロックをダブルクリックしたときにはブロックエディターが起動しますが、
インプレイス参照編集が起動するようにカスタマイズすることが可能です。


まず、コマンドラインに [ cui ] と入力しエンターを押します。
するとユーザーインターフェースをカスタマイズというウィンドウが立ち上がるとおもいます。

左上のウィンドウのダブルクリックアクションの+をクリックし、その中のブロックの項目の+
をクリックします。

ブロックエディタが設定されているとおもいますので、これを
インプレイス参照編集に入れ替えます。

上記の画像のように左下のウィンドウの検索欄に「ブロック」と入力します。
検索結果にインプレイス ブロック編集というコマンドがあるので
クリック・ドラッグして、先ほど開いたダブルクリックアクション→ブロックの項目にドロップします。

そうすることでダブルクリックアクション→ブロックの項目がインプレイスブロック編集に入れ替わったかとおもいます。

あとはOKをクリックし画面が閉じれば、ブロックまたは外部参照をダブルクリックした際には
インプレイス参照編集が起動するようになっているとおもいます。



一点だけ、バグなのか仕様なのかわからないのですが、
参照編集中にMATCHPROPコマンドを使用し、ロックされている線分なども一緒に選択してしまうと、色が変わってしまう現象がみられます。
参照編集中は暗転しているだけでロックされているわけではないのかもしれません。
編集中はご注意を。

しかし便利な機能なので
ぜひトライしてみてください。
ではまた。















2014/03/18

pickfirst

Autocadではコマンドは先に起動するほうですか?オブジェクト選択後に起動するほうでしょうか。
 2パターンの起動方法があると思いますが、、、、、

  「オブジェクトを選択してコマンド起動しようとしても、コマンドが立ち上がらない」 

なんていう、事態に陥ったことはないでしょうか。

例でいうと、

・オブジェクト選択後、copyコマンドを起動しようとしても起動しない。
・削除にDELキーを使っている場合に、オブジェクト選択後DELキーを押しても削除できない。

等があると思います。

原因は[ pickfirst ]というシステム変数です。

”0”の場合
コマンドを先に起動し、オブジェクト選択後確定でコマンド実行

”1”の場合
コマンドを先に起動、若しくはオブジェクトを先に選択。
どちらでもコマンド実行可能。


”0”に設定されている場合、弊害としてオブジェクト選択後の短縮キー(DEL等)が使えなかったり、
ダブルクリックアクションなどが使えないようになります。


特段理由がないかぎりは、pickfirstは1にしておいたほうが使いやすいと思います。



2014/02/27

縮尺リストをリセットする[scalelisetedit]

CADデータは一人で作業していればさほど乱れることはありませんが、
往々にして1つのデータをいろんな人が編集するものです。

そんなとき、どういう経緯かはわかりませんが尺度リストに膨大な量の尺度定義が設定されてしまうときがあります。


通常はこのような状態ではないでしょうか。

今は尺度リストが増えてしまったデータを持っていないので、画像がありませんが。
このリストがスクロールしてもしきれないくらいに増えてしまっているデータをみたことがあります。

または自分で追加して増やしたものの、やはり初期状態に戻したいときなど。

[scalelisetedit]を使うとデフォルトの状態へ戻すことが可能です。










まずは[scalelisetedit]とコマンドラインへ打ち込み、コマンドを立ち上げます。


図面尺度を編集、のウィンドウが立ち上がったら、リセットをクリックします。





するとこのような画面になりますので、
メートル単位を選択します。

フィート単位で作図している場合はフィート/インチ単位を選択します。


すると、尺度リストがデフォルトの状態に戻ります。







不必要に多い尺度リストはデータの不具合の原因にもなりやすいです。
一度、ご自分の作業されているデータも尺度リストを確認されてみてはどうでしょうか。











2013/02/15

モデル空間とレイアウト空間で線種尺度が違う[lts・psltscale]

まずはLTスケール(ltscale)またの名をグローバル線種尺度について。(以後LTSとします。)
ちなみにコマンドは ”lts” →enter の後に尺度となる数字を打ち確定すれば線種尺度が変更されます。

LTSはモデル空間全体の線種尺度のことを言います。
変更することによって全てのオブジェクトの線種尺度に影響します。
オブジェクトを選択後、オブジェクトプロパティにでてくる線種尺度(個別の線種尺度)とは別物です。

私の場合、基本的には個別の線種尺度は変更せず、LTSにてファイルごとに線種尺度を設定します。(そのほうがあとから変更したくなった場合にも容易に対応可能です。)

LTSをモデル空間で調度良い見た目に調整したとき、
レイアウト空間に移動したときに、ビューポートから見えている図面の尺度が
モデル空間とは違うことはありませんでしょうか。

例えば、モデル空間では点線や一点鎖線が見えているのに、
レイアウト空間のビューポートでは実線になってしまう。

と言った具合です。

これは”psltscale”というシステム変数によるものです。(コマンドもそのまま”pslescale”です。)

0と1がありますが、
新規レイアウトを作成した場合、標準ではpsltscaleは”1”になっていると思います。


0:レイアウト空間のビューポートをモデル空間と同じ線種尺度にする。
  (異なる尺度のビューポートでは線種も尺度通りに伸び縮みする。)

1:レイアウト空間のビューポートの線種尺度を統一する。
  (異なる尺度のビューポートでも線種尺度が統一される。)

非常にわかりづらいので今回は画像と、参考のDWGファイルを添付します。

ファイルの設定は LTSを”1” 線種は”DASHED” 用紙設定はA3 1:1 としています。
モデル空間に線種DASHEDで何本か適当に引いた線を、1:10と1:5の尺度の
2つのビューポートでレイアウトしています。


・まずはpsltscaleを”0”とした場合。

モデル空間では同じ線種尺度ですが。
ビューポートの尺度が違うので、それぞれの尺度に合わせて
されているので、破線の間隔がそれぞれ違います。
1:10はほぼ実線になってしまっています・・・が。
1:1のビューポートならば、モデル空間と同じに見えるはずです。

言葉で表現するのが難しいのですが。
psltscale0 でのレイアウト空間の線種尺度は モデル空間と同じ見た目になるということです。(尺度の絶対値が変わらないといいますが・・・・)

メリットとしては、作図時はよくモデル空間とレイアウト空間を行き来しますが、見た目が同じなので作業しやすかったりします。

デメリットとしては、同じレイアウト空間に異なる尺度のビューポートが存在すると、見た目が変わってしまうことです。
よってpsltscale0 は 単一のビューポート向きということになります。


・次はpsltscaleを”1”とした場合。

先ほどのレイアウトをコピーし、pstscaleを1に変更したものです。
その他はいじっていません。

1:10 1:5共に同じ間隔なのがわかるかとおもいます。
このように、異なる尺度のビューポートでも同じ線種尺度になります。
ただし、モデル空間での見た目とレイアウト空間での見た目が変わってしまうため、冒頭で言ったような”やりづらさ”があります。
こちらの設定は、複数の尺度が混在するレイアウトの場合に最適かとおもいます。


以上長々と書きましたが、、、実際に見てみるのが早いと思いますので。
DWGファイルのリンクを貼り付けておきます。

https://docs.google.com/file/d/0B_NaR3k6p59Vb2ZoME80Um05ZGM/edit?usp=sharing


ダウンロードして、LTSを変えてみたり色々弄ってみてください。
ちなみに psltscaleのシステム変数を変更しても、すぐには画面には反映されません。
一度違うレイアウトのタブへ切り替えることで反映されるので気をつけてください。


ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

















2013/02/06

ファイルを開こうとしたが、Autocadのエクスプローラーが開かない。[filedia]

Autocadでファイルを開くとき、デフォルトの状態ですとエクスプローラーが立ち上がって、
そこからファイルを開きますよね。
突如その「ファイルを開くときに出てくるエクスプローラー」がでなくなってしまいます、ということはありませんでしょうか。

そもそもWindowsのエクスプローラーから開くから興味ないぜ!って人は参考程度にしてください。


単刀直入に、autocadからのエクスプローラーがでなくなってしまった場合、どうすればよいか。

それは ”FILEDIA” というシステム変数を変更することによって解決できます。

0 に設定しているとファイルを開く際のエクスプローラーが出ません。
1 に設定すればエクスプローラーが出るようになります。

なぜ突然でなくなってしまうかは、よくわかりませんどこかショートカットキーを無意識のうちに押してしまっているのかも・・・・・

お困りの方はお試しあれ~

AUTOCADで連続印刷(adobe Acrobatを使用)する方法

みなさんはAutocadで印刷するとき。

ファイルをひとつづつ開いて印刷しては閉じ、印刷しては閉じ・・・・
なんてしていませんか?

私は建築設計でAutocadを使用しているので、大量の図面一式を印刷することが多々あります。
私は決してAdobeの回し者ではないですが、
Acrobatを使う方法が一番効率よく、かつ無駄なく印刷できると考えています。(あくまで主観です。

Acrobatはシェアウェアのためなかなか導入に踏み切れない方もいるかと思いますが、
そのぶん効率が上がり、結果生じるメリットのほうが大きいです。
なにより一番大きいのは作業時間の短縮とミスの軽減だとおもいます。

とまぁ、ソフトの宣伝はこのくらいにして本題へ。


Autocadにはパブリッシュという機能があります。(あまり古いバージョンには搭載されていなかった気がします。とくにLTは2008あたりからだったか?)

簡単に言えば、予め設定しておいたページ設定を使用して、複数のレイアウトを一気に印刷できる機能です。開いていないファイルのレイアウトも同時に印刷することができるので、非常に効率があがります。

ただ、全てのレイアウトの印刷設定を予めきちんと設定しておくというのも、なかなか難しい場合もあります。(特に複数人が同じファイルに手を入れる場合等)

私の場合ですが、気を付ける点が幾つかあります。

①全てのレイアウトで用紙のサイズを統一すること。
②必ずレイアウト空間にてレイアウトし、レイアウト空間の用紙枠外にオブジェクトが存在しないこと。(モデル空間にてレイアウトしてしまうと色々めんどくさいです。)
③印刷範囲は「オブジェクト範囲」にすること。窓で切るとずれます。
④印刷の尺度は1:1にすること。(ビューポートで尺度調整)

上記の条件で作図することにより、縮尺の違う図面でも紙の大きさは全て同じということになります。

印刷尺度が同じで紙のサイズも同じ場合、全てのレイアウトで同じ印刷設定が使えるので、
あらかじめレイアウトの設定を指定なくても、印刷時にまとめて設定できるので楽です。


では具体的にパブリッシュする方法です。


まずは、順番に印刷したい場合、一枚目にくる図面を開き、レイアウト空間に移ります。
印刷設定を開き、印刷設定を行ったあとプレビューして確認します。
OKであればESCを押して印刷設定画面に戻り。ページ設定に名前を付けて保存します。(追加というボタン)
保存できたら印刷画面をESCを押してキャンセルします。
私がおすすめするのは、ここで使うプリンターをAdobeAcrobatにすることです。
通常のプリンターでも良いのですが、印刷中にタイムアウトしてしまうことがよくあり、
あまりうまくいった記憶がありません、なので一旦PDFにしてしまおうというわけです。
(DocuWorks等でも同じようにうまくいきます、要は仮想プリンターですね)


ここで、「PUBLISH」 とコマンドラインに打ちエンターを押します。
するとパブリッシュのウィンドウが開き、リストに開いているデータのモデルとレイアウトが
リストアップされていると思います。(複数レイアウトタブがある場合はSHIFTを押しながらレイアウトを複数選択し、右クリックメニューからパブリッシュを選択してもいいです。)

次に、開いていないデータのレイアウトを印刷するために、リストの左上のほうにある
「シートを追加」というボタンを押します。(緑色のプラスマークのものです。)

開いたコンソルの下部に検索対象というプルダウンメニューがあるので。
レイアウトのみにしておきます。

その上で印刷したいファイルを選択し読みこめばリストに追加されます(複数選択可)
仕様だと思うのですが、先に選んだファイルがリストの後ろに来てしまいます(あとでリストの順番は変更可能)

印刷したいレイアウトのリストが出来上がったらいよいよ印刷に入ります。

が、その前にパブリッシュのウィンドウの右下にある3つのチェックボックスを全てはずします。
まぁ好き嫌いの問題もありますが、バックグラウンド印刷しないほうが早い気がします。
あと進捗がわかるので精神的に待つのが楽です^q^;

まずはリストの項目をCtrl+Aで全選択します。
次に、リストの先頭のファイルのページ設定のところにプルダウンメニューがでますので、
ここに、最初に作成したページ設定の名前があるはずなので、選択します。

これで全てのレイアウトに対して同じページ設定を反映させることができます。


あとはパブリッシュのボタンを押せば自動的にファイルが開き、連続印刷することができます。
推奨の方法でAcrobatないしはDocuWorks等を設定していた場合、
ここでファイルの保存先を聞かれるのでデスクトップにでも保存します。

あとはひたすら待つだけです。


以上、文字だけで説明するとひじょおおおにわかりづらくて申し訳ないのですが。
今後キャプチャーして画像を追加する元気があれば、この記事を編集しようとおもいます。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。

2012/09/04

寸法自動調整解除[dimdisassociate]

デフォルト(標準)の状態では寸法記入をした時、自動調整がONになっているとおもわれます。
自動調整とは、寸法の起点となるオブジェクトが変形したときに、寸法が自動で追従してくれる機能です。
一見すごく便利そうな機能で、実際便利な使い方もたくさんありますが。

例えば移動コマンドや別データからコピーして図面を持ってきた時などに、寸法線だけがすごく遠くに吹っ飛んでしまったりした経験は無いでしょうか。

実は原因は寸法自動調整にあります。

まぁ大体の場合は少し修正すればすむのですが、変なズレはないに越したことはありませんね。
そこで寸法自動調整解除コマンドを使います。

DIMDISASSOCIATE  短縮コマンド DDA

コマンドを起動すると 非自動調整にする寸法を選択してくださいと出ますので、
当該寸法オブジェクトを選択(複数選択も可、他の線分なども同時に選択してしまっても影響はありませんので、□で囲ってしまうのがてっとり速いです)して、確定。

これで非自動調整寸法になりました。
以後はオブジェクトを移動、コピーなどしても寸法が不用意に動いたりすることはありません。

あまり使うことはありませんが、地味に困るときもあるので覚えておくと便利です。